母の目線で平和訴え、沖縄ツアーで記者が講話


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「母の目から見た沖縄戦と基地問題を学ぶ旅」で講演する琉球新報社の玉城江梨子記者=27日、名護市国際交流会館

 【名護】沖縄戦から今も続く基地問題を学ぼうと、国内外のツアーを企画する富士国際旅行社(東京都、太田正一社長)と琉球新報社の共同企画「母の目から見た沖縄戦と基地問題を学ぶ旅」が26日から29日まで実施されている。27日は沖縄戦で日米両軍が激しい戦闘を繰り広げた那覇市おもろまちの高台(通称・シュガーローフ)や、1959年に米軍戦闘機が墜落したうるま市の宮森小学校を巡った。県外から訪れた7人の参加者は平和の大切さや沖縄の現状と向き合った。

 名護市国際交流会館で27日に開かれた講演会には琉球新報社の玉城江梨子記者がこれまで取材してきた沖縄戦体験者の話や、母として見詰めた沖縄戦について話した。玉城記者は「子どもが生まれて沖縄戦の見方が変わった。沖縄戦当時、壕の中で子どもを抱いていた母親の気持ちはどれだけ苦しかっただろう」と問い掛けた。その上で「戦争を生き延びた人たちがいるから今の私たちがいる。しかし今も沖縄の現実は苦しい部分があり、今も戦争は続いている」と強調し、基地問題や米軍属女性暴行殺人事件について説明した。

 ツアーに参加した都留(つる)真理さん(54)=東京都=は「沖縄に来て抱え切れないほどのものをもらった。帰って子どもたちに伝えたい」と感想を述べた。