子宮筋腫の手術に希望、国内初の「バッグ」開発


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腹腔鏡手術で子宮筋腫を回収するために使用する「MROバッグ」を発案した空の森クリニックの高山尚子医師=27日、八重瀬町屋宜原

 医療機器製造・販売の沖縄医療機器開発事業(豊見城市)と空の森クリニック(八重瀬町)の高山尚子医師はこのほど、子宮筋腫に対する「腹腔鏡(ふくくうきょう)下子宮筋腫核出手術」に使用する「MROバッグ」を共同開発した。国内初という。2017年1月にも全国の医療関係機関を対象に発売し、採算が取れれば海外への展開も視野に入れる。

 これまで同手術に使う輸入品の特殊バッグは1枚平均約2万5千円だったが、MROバッグは1枚約4千円で販売される予定。

 腹腔鏡手術で子宮筋腫を除去するには手動と電動の二つの方法がある。近年、国内の多くの医療施設では筋腫を体内から取り出す際に、組織を細かく切って除去しやすくする「電動式モルレーター」という機器を使用している。

 しかし「モルレーター」を使用した場合には、小さな筋腫の破片が体内に飛び散ることがあり、取り出されなかった破片が再び筋腫として成長するリスクがある。

 そのため、筋腫破片を腹腔内に飛び散らせないため、ポリエチレン袋を体内に入れて筋腫を回収する必要があった。今回開発したMROバッグは子宮筋腫手術に適切なサイズと、海外製品に比べ低価格化も実現した。(呉俐君)

※注:高山医師の「高」は旧字体