障がい者バスケ 関連団体、初の「教室」 認知度上げ競技力向上


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 【沖縄】県障がい者スポーツ協会と県知的障がい者スポーツ連盟は23日、難聴者や知的障がい者を対象としたバスケットボール教室を沖縄市の県総合運動公園で初めて開催した。10~40代の幅広い年齢層から、経験者、初心者問わず男女計60人超が参加し、ドリブルやシュートなど多彩な技術を磨いた。開会式では、県FID(知的障がい者)バスケットボール連盟の発足も報告された。

 教室は午前9時半から3時間開いた。パスやシュートなどの練習は、参加者を車いす、初心者、男女それぞれの経験者に分けて実施。指導は県障害者スポーツ指導者協議会などが務めた。最後は各クラスによる試合で締めくくった。

 県知的障がい者スポーツ連盟の田中寛会長は「障がい者バスケの認知度はまだまだ低い。これを機にやりたい人が増えてほしい」と開催理由を説明。一方で県内には車いすが入れるなど、障がい者スポーツ向けの施設が少ないことに触れ「専用施設があれば初心者も始めやすく、競技力も向上する」と整備を求めた。

 県FIDバスケットボール連盟の発足は23日付。委員長は以前支援学校で体育教諭をしていた酒井克浩さんが務める。今後は大会の開催や指導者の育成などの活動を通し、県の選手レベルの向上を図る。

 バスケをする姉の影響で普段からボールに触る機会も多いという仲泊厚志さん(11)=北谷町=は、唯一車いすで参加。「試合は初めてで楽しかった。これからチームに入ってバスケをしたい」と意欲に火が付いた様子だった。

 那覇市から参加した津波古正満さん(37)と玉城未来さん(17)は、チームづくりに向けメンバーを募集している。玉城さんは「バスケ好きが集まり、交流を増やしたい。外にあまり出ない人も多いが、参加することが出るきっかけにもなる」と勧めた。

競技の認知度アップなどを狙い開かれた障がい者バスケットボール教室の参加者ら=23日、沖縄市の県総合運動公園
交流を通し、バスケットボールの技術を磨く選手たち