世界、全国で、輝き放つ又吉3きょうだい トランポリン、タンブリング


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 それぞれが幼小のころから、トランポリン競技や体操競技などに触れ、国際舞台や全国大会で輝きを放つ3きょうだいがいる。うるま市出身の又吉幹奈(20)=金沢学院大2年、健斗(16)=静岡・磐田東高1年、夢奈(10)=田場小4年=がそう。世界でのメダル獲得、国体の活躍、全国優勝などの夢を抱き、個々のステージで日々技を磨く。

世界や全国の舞台で活躍し、さらなる飛躍を誓う(前列右から)又吉幹奈、健斗、夢奈の3きょうだい=29日、那覇市の琉球新報社

 健斗は今春、具志川東中を卒業後、練習環境が整う静岡県の高校へ進学した。体操とタンブリング双方の競技を行う。タンブリングは体操の床種目と似ており、一直線に延びた演技スペースで宙返りなどの技を披露し、演技力や技術力などで得点を競う。複数競技をこなすこともあり、週末の多い日は10時間練習するなど、自炊もしながら競技に一心に取り組む毎日だ。

 努力の成果は大会で発揮された。タンブリング全日本年齢別選手権で1位となり、インド・パシフィック選手権(10月、ニュージーランド)に日本代表として出場、15~16歳の部で栄冠をつかんだ。国際大会の初優勝に「練習通りできた。手足の先まで神経をとがらせ、きれいな演技を心掛けた」と笑顔で振り返る。

 一方で、ロシアやイギリス、中国といった強豪国が不参加だった点を挙げ「世界トップレベルとの差はある。難易度を上げた技をしっかり習得したい」と慢心はない。来年はワンランク上の一般部門で世界選手権出場と上位進出を目指す。

 体操競技では静岡の強化指定選手だ。「インターハイで個人優勝できるよう努力している。その先に東京五輪が見えてくる」と、いずれの競技も世界最高峰の舞台を展望する。

 幹奈はトランポリン競技が専門。今年のインカレはペアで競うシンクロ種目で5位、西日本選手権大学の部では個人5位に入賞した。国内トップ選手が出場する全日本選手権にも2年連続で出場している。

 大学では自身の練習のほか、ジュニア選手の指導もこなす。「競技力を向上させ、2019年に正式種目となる国体に沖縄代表として出場し全国で戦いたい」とした上で、「沖縄の子どもらを育てたい」と指導者としての目標も掲げる。

 夢奈は、全九州トランポリン選手権の小学生低学年女子のチャンピオン。同競技の九州強化指定選手にもなっており、「たくさん回転できて楽しい。全国大会でも優勝したい」と話し、姉や兄の背中を追う。

 うるま市で体操教室を開く父親の健一さん(県トランポリン協会理事長)は「互いの活躍が刺激になっているようだ。競い合いながら成長している」と目を細める。同協会の久保田照子会長も「沖縄の代表として世界や全国で羽ばたいてほしい」とエールを送る。