県産新鮮野菜、毎週シンガポールへ サニー沖縄


この記事を書いた人 志良堂 仁

 花卉や青果物の生産・卸売のサニー沖縄(西原町、城間優代表)は昨年10月から毎週2回、数百キロ~2トン程度の県産・国産の青果物をシンガポールに輸出している。県内の生産農家と県外各地の仲卸市場とのネットワークを活用して一年中、100~200種類の青果物を安定供給できる同社の強みを生かし、県産のゴーヤーやヘチマに加え、国産のカキやリンゴ、ミカンなど約50種類を輸出している。

シンガポールに県産・国産の青果物を輸出しているサニー沖縄の城間優代表(左から2人目)ら=那覇市曙のサニー沖縄那覇営業所

 那覇空港の国際物流ハブ機能を活用して、日本各地の新鮮な青果物を素早く届けられることも利点となっている。

 サニー沖縄初の海外進出に城間代表は「アジアでは安全安心な日本・沖縄の食材に対する信頼感がある。価格は高くても需要があり、新たな商圏を開拓したい」と意気込んでいる。

 海外輸出は、9月にシンガポールで開かれた「ワールドフードフェア」の沖縄パビリオンに出展したのがきっかけ。ゴーヤーやオクラ、スイカ、紅イモ、マンゴーなど計15品目ほどの県産・国産の青果物を展示即売した。地元の輸入業者が値段を設定。輸送コストが掛かるため、県内価格の1・5倍以上の価格帯で売ることになったが、安心安全なジャパンブランドへの関心は高く、シンガポールの地元客はこぞって購入した。

 現地を調べると、日本の百貨店進出や地元スーパーに日本食のコーナーが設けられるなど、日本食材に対する一定の需要があると判明した。10月に同国を再訪して、インターネット通信販売会社や、地元スーパーに青果物を卸す商社と商談して輸出が決定した。

 同社の生産部門や関連会社を活用して今帰仁村や中城村の農地でキャベツや白菜、トマトなどを生産し、さらなる県産品の移・輸出に力を入れる。城間代表は「海外輸出で青果物が高値で取引できるため、生産者の意欲向上につながる。沖縄の冬場の野菜をもっと売り出したい」と話した。