特注の国産レンタカー、アジア客に大人気


この記事を書いた人 志良堂 仁

 国産のスポーツカーや趣向を凝らした外装の車などに乗るため、沖縄を訪れる外国人観光客が増加している。ホテル経営などを手掛けるWBFリゾート沖縄(豊見城市)が運営するレンタカー店舗「GRACE OKINAWA(グレイスオキナワ)」(那覇市)などを利用する外国人観光客が急増しており、外国人客だけが予約している日もあるという。リピーターが増加する沖縄に、「レンタカーツーリズム」による一層の誘客が期待される。

外国人客に人気のダイハツコペンなど国産車を取り扱うグレイスオキナワ =6日、那覇市

 2015年3月にオープンしたグレイスオキナワは当初国内客や県内客をターゲットに据え、国産車を中心としたレンタカー事業を始めた。日産のキューブの屋根をガラスに替えたり、装備を特別に注文したカラフルなスズキのハスラーを導入したりするなど、他社との差別化を図ってきた。

 レンタカー事業責任者のWBFリゾート沖縄の大城友和取締役によると、15年夏の韓国人客の利用が外国人客増につながった。韓国人客がSNSでレンタルした車の魅力を発信したため、海外からの問い合わせが殺到した。現在、同社のホームページは日本語、韓国語、中国語、英語の4言語で対応しており、利用件数のうち、外国人客が6割に上った。

 国・地域の好みを見ると、韓国はカラフルな車、台湾はスポーツカー、香港はオープンカーに最も人気があるという。大城取締役は「沖縄旅行のついでに一度乗ってみたい車を提供したい。沖縄での移動時間も楽しんでもらいたい」と述べた。

 県内ではレンタカー業界の競争が激化しており、通常2泊3日のレンタカー料は平均8400円だが、グレイスオキナワは約3倍の2万4千~3万円となる。同社の利用客の中には、格安航空会社(LCC)を利用して来沖し、低価格帯の民宿に泊まり、レンタカー料には15万円も使った台湾人客もいる。沖縄滞在中、何十回も高速道路を通行した外国人客もいた。

 青色のハスラーをレンタルした韓国のソン・ジュヨンさん(25)とキム・ヒョンヒさん(25)は「かわいい車に乗りたいからハスラーにした。とてもよかった。また遊びに来たい」と笑顔を見せた。(呉俐君)