魅力いっぱいパラスポーツ 認知度向上へ識者討論


社会
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障がい者スポーツの発展について意見を交わすパネルディスカッションの登壇者ら=7日、浦添市社会福祉センター

 スポーツ講演会2017「パラスポーツアスリートの未来へ向けて」が7日、浦添市社会福祉センターで開かれ、障がい者スポーツの魅力を再確認し、発展に期待を込めた。講演会では競技者やスポーツの指導者らが登壇し討論会などを行い、競技への理解の広がりや練習環境の整備向上などを求める意見もあった。

 第1部ではバスケットボール指導者の安里幸男さん、陸上クラブ・アスリート工房代表の譜久里武さん、車いす陸上選手の喜納翼さんが講演。第2部では知的障がい者陸上の平良美友貴さん、ボッチャ競技の金城歩未さんを交え討論会を行った。

 譜久里さんは県内の障がい者アスリートについて、「素晴らしい選手がたくさんいる。これからも応援していきたい」と強調。2020年のパラリンピック東京大会に向けて、「これからもっと注目されると思うが、まだまだ認知度は低い」と指摘。多くの人たちに障がい者スポーツの魅力を伝えることの重要性を訴えた。

 喜納さんは「県内には張り合える仲間がいて、施設のバリアフリーも進んでいる」と恵まれた環境の中で練習していることを紹介した。一方で、「全ての市町村の施設が同じ状況ではないことも確かだ」と言い、さらなる整備促進を願った。

 金城さんはリオ・パラリンピックでボッチャ日本代表が銀メダルを獲得したことに「とてもいい環境になっている」と感想を述べた。県内にも練習施設が整っていることに触れながら「まだまだ競技の知名度が低くて選手も少ない」と現状を説明した。

 アスリート工房では健常者も障がい者も一緒になった陸上競技を続けている。安里さんは「この活動が徐々に広がっていくことは間違いない。いろいろな所で広げていく作業が必要になる」と今後の発展に期待を込めた。

 第1部では安里さん、喜納さん、譜久里さんが自らの経験や競技に懸ける思いなどを話した。