17年沖縄県経済「拡大」 りゅうぎん総研展望


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 りゅうぎん総合研究所(池端透社長)は9日までに、2016年の経済回顧と17年の展望をまとめた。17年の沖縄県経済は、16年に引き続き「拡大の動きが強まる」と分析した。雇用情勢の改善や外国客の旺盛な旅行需要などを背景に消費・観光関連は好調に推移すると予測した。建設関連も公共工事と民間工事がともに好調な動きになると見通した。

 個人消費については、外国客による消費行動に陰りが予想されるが、スーパー、百貨店売上高は店舗の新設や改装効果に加え、雇用環境の改善により食料品を中心に県民の消費意欲は高まり、前年を上回ると予測した。消費を取り巻く環境について、賃金の上昇により、消費マインドは向上と見込む。

 建設関連は、沖縄都市モノレール延伸事業などの大型工事や港湾関連工事の増加などで公共部門は好調を維持するとした。民間部門も金融機関の貸出金利が引き続き低水準で推移することから、貸家や分譲を中心に住宅需要は拡大すると予測。非居住用でも、宿泊施設の新設や増設の増加が見込まれ、堅調に推移すると見通した。

 観光関連は、国内経済が拡大局面に入ることや外国客の旺盛な旅行需要を背景に入域観光客数は前年を上回ると予測した。ただ、国内客については、海外旅行需要の高まりから「やや鈍化する」とした。ホテルの稼働率は、繁忙期は横ばいになると予測。客室単価は上昇傾向は続くとしたが、伸びは「やや鈍化する」と予測した。

 一方、課題として、観光客1人当たりの県内消費額の増加を挙げ、「外国客の爆買いの動きが沈静化しており、今後は『コト』(体験型観光、食事など)消費への対応が求められる。人手不足への対応も早急に手を打つべきだ」と指摘した。