クルーズ船寄港387回 16年県内、77%増で過去最多


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 2016年の県内へのクルーズ船の寄港回数が過去最多の387回を記録したことが12日、分かった。沖縄総合事務局が各港湾管理者からの報告を速報値としてまとめた。前年実績を上回るのは7年連続。初めて200回を突破した15年実績の219回からさらに168回(76・7%)増加し、近年の台湾や中国を中心とした外国人観光客の急増に大きく貢献している。

 港湾別では那覇港への寄港が193回(15年115回)と最も多く、石垣港95回(同84回)、平良港86回(同13回)、中城湾港8回(同0回)とそれぞれ増加した。中城湾港へのクルーズ船の寄港は5年ぶりだった。宮古島の平良港は新規のクルーズ船会社が就航を決めたことなどで大幅増となった。

 一方、沖縄総合事務局が昨年4月に発表していた見込み値の457回には届かず、同局港湾計画課は「台風による欠航など気象条件の影響があった」と説明した。

 沖縄総合事務局は近く、17年の県内寄港見通しを公表する。

 世界のクルーズ市場では客船の大型化が進み、定員4千人以上という「クァンタム・オブ・ザ・シーズ」「オベーション・オブ・ザ・シーズ」の16万トン級の船が、沖縄を寄港地とするようになっている。

 引き続きクルーズ船の受け入れを拡大していくには、大型船の寄港に対応した岸壁や旅客ターミナルの整備が必要となっているほか、乗客が上陸する際のCIQ(税関・入国管理・検疫)の機能や要員を各地の港でどのように確保していけるかも課題となっている。