本省、官邸も協議員に 米軍事件対策、県要請へ


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 米軍関係の事件や事故の対策で地元の意見を反映させる新たな協議機関を求めている県は枠組みについて、直接米側と交渉する窓口の防衛省や外務省の本省、首相官邸の幹部を構成員に加えるよう求める方向であることが14日分かった。翁長雄志知事が2月、政府に要請する方向で検討している。地元レベルでの調整に加え、米軍や米政府と交渉する関係省庁の幹部級を加えることで、県の意向を反映させる仕組みを構築したい考えだ。

 県がこれまで検討してきた枠組みの素案は、事件・事故に関して日米両政府が交渉した後、県や関係市町村にいったん内容を報告し、それに対する県など地元の意見を最終的な対応に反映させる仕組みだった。

 県幹部によると、新たに要望する枠組み案では、政府から県への報告と意見照会の段階では、現地の状況や情報に詳しい沖縄防衛局や外務省沖縄事務所と連携して調整する。一方、実際に米側との交渉に臨む外務省や防衛省など関係省庁の幹部、政府の司令塔となる官邸などとも直接県が協議し、県の要望内容を詳細に伝える場の設置を求める。

 県側は米側と直接交渉する関係省庁の本省や官邸を協議体の枠組みに入れることで、より実効的な協議ができると期待している。

 米軍関係の事件・事故対策を巡っては、県、国の出先機関、在沖米軍で構成する「三者協議会」が西銘順治県政時代に設置された。だが会の規則で議題は「現地レベルで解決できるものに限る」と規定されていた。

 このため米軍側が基地問題に関する県側の要求に対して「現地レベルを超えている」と実質的な協議を拒否し続けて形骸化し、稲嶺恵一県政時代を最後に開催されていない。