学童ク「待機児童」も最多 沖縄16年661人、4年前の3倍 需要に追い付かず


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 共働き世帯などの小学生を放課後預かる放課後児童クラブ(学童クラブ)に、入所を申し込みながらも入れなかった沖縄県内の「待機児童数」が2016年5月1日現在、661人に上り過去最多となった。厚労省が各都道府県の報告を基に全国の待機児童数を集計し16日、公表した。沖縄県内の学童クラブの設置数は年々増加しているが、県は学童クラブの周知が進み、受け皿の増加に伴って利用を希望する家庭も増えたことが、待機児童数を押し上げたとみている。

 児童福祉に詳しい専門家は待機児童数は今後も増えると予測している。解消に向けては公的施設の移行を進めて、受け皿を増やす施策が必要と指摘している。

 県は受け入れ児童数や開所日などの基準を満たしているクラブを「放課後児童クラブ(学童クラブ)」と位置付けている。県の調査では16年5月1日現在の学童クラブ数は373カ所で、12年(296カ所)に比べ77カ所増えた。登録児童数は12年(1万1800人)から3701人増え、16年は1万5501人となった。学童クラブ数や登録児童数の増加と連動するように、待機児童数は12年(212人)から16年は449人増え、661人に上った。

 16年の待機児童数を市町村別に見ると、うるま市が120人で最も多く、沖縄市(104人)、宜野湾市(101人)、南風原町(60人)、嘉手納町(49人)と続く。

 県は待機児童数の増加について「クラブの数が増えると、利用そのものを諦めていた家庭が、利用希望者となって掘り起こされるのではないか」と分析。市町村に対して「学校の敷地内など公的施設に整備するなら、一括交付金による補助が活用できるので、積極的に利用してほしい」と呼び掛けている。

 厚労省によると16年5月1日現在、全国の放課後児童クラブの待機児童数は東京都が3417人で最も多かった。(高江洲洋子)