地産地消、普及へ 農家、飲食店主らシンポ 生産者巡りの意義強調


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県産食材を地域で消費する意義について議論を深める地産地消シンポジウム2017=18日、那覇市の県立博物館・美術館

 沖縄県は18日、県産食材の消費促進を目指す地産地消シンポジウム2017を那覇市の県立博物館・美術館で開いた。地産地消に取り組む飲食店経営者や農家らが登壇し、地元の農水産物のを見直すことで観光振興や伝統料理の保存にもつながるとして意義を語った。

 北海道を拠点に生産者を巡って産地リポートを書いている大町香さんが基調講演し、「実が曲がっているなど市場への出荷は難しいものでも、生産者から魅力や曲がった理由を聞くとおいしく見えてくる」として北海道ではワイナリーなどの農家を訪ねるツアーや、畑の中でレストランを開くといった取り組みが人気となっていることを紹介した。大町さんは「沖縄の食べ物は県外の人には未知のものが多く、可能性がある。沖縄ファンを増やす意味でも、生産者巡りは重要なツール」と強調した。

 パネル討論では、「おきなわ食材の店」に登録された飲食店を経営する川原美加さん(ベジフルランチカフェ代表)と小林清高さん(郷土料理の琉音店主)、紅イモ、糖蜜などの沖縄食材で豚を飼育する農業生産法人福まる農場の広実新吾営業推進部長の3氏が登壇し、県産食材を使う意義を語った。

 沖縄そばのだしの取り方を学ぶうちに琉球料理に魅せられたという小林さんは「琉球料理には『医食同源』という言葉があり、県産食材を生かした効能もある。地産地消による食文化の普及に役立ちたい」と思いを語った。

※注:小林清高さんの「高」は旧字体