ハブから再びPCB キンザー周辺 DDT類も検出


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 【浦添】浦添市は20日、同市の米軍牧港補給地区(キャンプ・キンザー)周辺で昨年実施した調査で捕獲したハブから、有害物質のポリ塩化ビフェニール(PCB)と毒性が強い農薬のDDT類が検出されたことを発表した。ハブは5~6月に4カ所で1匹づつ捕獲、4匹全てからPCB、DDT類が検出された。

 キンザーに隣接する西海岸など3カ所で昨年9月に行った底質調査では、海岸と陸地側の各2カ所からPCB、DDT類を検出、鉛は3カ所から検出された。環境基準値は下回った。

 港川付近の海岸で採取した貝(マガキガイ)からは鉛を検出した。日本には基準がないが、欧州連合(EU)が設定した二枚貝の基準値を下回った。貝、アーサからPCB、DDT類は検出されなかった。

 今回検出されたハブの脂肪組織中PCB濃度は1キロ当たり5~42ミリグラム。DDT類は1・1~16ミリグラムだった。最も高い数値を検出したのは、どちらも城間から港川にかけて流れる川・シリンカー付近で捕獲したハブだった。

 自身も浦添市周辺でハブに蓄積された有害物質を調べている名桜大の田代豊教授(環境化学)は、今回ハブから検出されたPCB、DDT類について「周辺地域より市北西部の値が高くなっている。底質調査の濃度分布などを見ると、米軍基地に汚染源がある可能性が高い」と指摘した。一方で、検出された濃度の高さや影響については「他のは虫類について調べた研究があまりなく判断がつきかねる」とした。

 市は「今後も調査を継続し、実態を把握したい」としている。

 市によるキンザー周辺の調査は2回目。2015年の調査でもハブからPCBを検出するなどしている。