学童利用料低減で困窮世帯支援 沖縄で14市町村が取り組み


この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦

 小学生を放課後預かる放課後児童クラブ(学童クラブ)の保育料・利用料について、沖縄県内の14市町村が経済的に厳しい世帯の負担軽減に取り組んでいる。琉球新報社が各市町村にアンケートを実施、28日までに回答を得た。県が子どもの貧困対策の一環で軽減策に伴う補助を交付した昨年秋以降、導入する市町村が増えている。県内は民立民営の学童が9割を占め、保育料が全国平均に比べて高い。利用したくても入所できない児童の環境改善が課題となっていた。

 減額になる世帯は、市町村によって異なるが、児童扶養手当や母子および父子家庭など医療費助成の受給、市町村民税非課税世帯、生活保護世帯など。各市町村は子どもの居場所づくりや親支援も目指している。本年度の利用者は、非公表の浦添市を除き13市町村で計501人に上る。

 保育料か利用料の半分に対して、児童1人当たり5千円を上限に減額しているのが糸満市、南城市、西原町、八重瀬町、北中城村、恩納村、浦添市、北谷町(民間クラブ)、南風原町の9カ所。

 名護市は利用料から8千円を引いた額と5千円を比べて低い額、与那原町は利用料から最大で3千円減額する。嘉手納町と中城村は、利用料から一律5千円を減額する。宮古島市は社会的養護が必要な児童に対象を限定し、利用料を全額免除している。

 県の子どもの貧困対策推進交付金を活用しているのが名護市、糸満市、南城市、宮古島市、西原町、八重瀬町、与那原町、北中城村、恩納村。独自予算で数年前から実施しているのが浦添市、北谷町、嘉手納町、中城村。南風原町は一括交付金を使って2015年度から始めている。

 南風原町は「貧困の連鎖を断ち切る方法の一つ」、西原町は「入所を諦めないで済むようなきっかけにしたい」と軽減策を導入した理由を話した。(高江洲洋子)