具志堅(女子58キロ級)全種目大会新 新報旗 県高校重量挙げ


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 重量挙げの第40回琉球新報旗争奪高校選手権大会(主催・県ウエイトリフティング協会、琉球新報社)は29日、豊見城高校体育館で行い、個人と団体で競技した。女子58キロ級の具志堅莉奈(豊見城)がスナッチ76キロ、ジャーク90キロ、トータル166キロを挙げ、全てで大会記録を塗り替えて連覇した。男子77キロ級は金城優人(南部工A)がスナッチ115キロ、ジャーク140キロ、トータル255キロで頂点に立った。団体は男子の南部工A、女子の豊見城がそれぞれ栄冠をつかんだ。

◆全試技成功 団体V貢献/具志堅

女子58キロ級 ジャークで大会新となる90キロを挙げる具志堅莉奈(豊見城)=29日、豊見城高校体育館

 女子58キロ級の前大会覇者、具志堅莉奈(豊見城2年)が全てで大会記録を更新して圧勝した。加えて団体優勝のための全6試技の成功と、ジャークでの90キロという双方の目標も達成。団体優勝を手にした女王は、「家族や部員の応援が聞こえたおかげ」とはにかんだ。

 8日前に行われた全九州高校競技選抜大会でスナッチは74キロから始めて80キロを差し上げた。今回は全試技成功のために重量を抑え、2キロ下げた72キロから始めた。74キロ、76キロと連続で成功したが「軽すぎた」と振り返る。腰の調子が良かったため、逆にフォームが跳ね上がる形になった点は反省材料となった。

 ジャークでも1、2本目は腕に力が入りすぎ、シャフトの動きが制限されて、差し上げにくかった。しかし、経験値を生かして「気合で挙げた」。3本目は目標の90キロ。普段なら焦りが成否に響くが、周囲の声援を力に変え気持ちを落ち着かせた。スナッチ、ジャークとも完璧な動きではなかったが、大事な場面でのメンタル面の成長が見えたこの日の試技だった。

 股関節が軟らかく、腕のひねりを生かした独特のフォームが特徴だ。大会を通し記録も伸ばし続ける。次は確実視される3月の全国選抜大会での自己記録更新も狙う。スナッチは高校日本記録の82キロ、ジャークは最低90キロで95キロも視野に練習に励む。「練習から調子が悪くても取れるようにして、自己新を狙いたい」。高い目標を定め続ける具志堅の意欲は、とどまるところを知らない。(崎原有希)