中国銭、石器を発見 首里城跡で 県内初出土


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 沖縄県埋蔵文化財センターは3日午後、西原町内の同センターで会見を開き、首里城の京の内地区で発見された、中国南宋時代の貨幣「紹興元寳(しょうこうげんぽう)」1点と、小型の刃物などで絵が刻まれた石器「線刻石器」1点を公開した。

 紹興元寳は同センターが同地区で進める調査で1996年11月に出土した。裏面に三日月の絵が入った「背上月」という種類で、1131年に鋳造されたもの。線刻石器は同地区で96年10月に出土した。15~17世紀ごろのものとみられ、刃物を研ぐ砥石(といし)の表面に帆船や波など、航海の様子が描かれている。

 発見を受けて平敷昭人県教育長は「線刻石器は航海の安全を祈願したものと考えられる。背上月の文様が入った紹興元寳も県内初の発見で、いずれも希少性が高い資料だ」とコメントを発表した。
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