糸満市、3000万取り過ぎ 市営住宅料算定ミス 09年度以降


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市営住宅の家賃の過誤徴収について謝罪する上原昭市長(左から2人目)ら=3日午前、糸満市役所

 【糸満】糸満市は3日、2009年度から今年1月までの市営住宅の家賃の算定に誤りがあり、本来より多く徴収していたことを明らかにした。市内7団地で現入居者265世帯と、既に退去している66世帯の計331世帯で過誤徴収があった。市では現在金額を調査中だが、概算で1世帯当たり1カ月平均約千円、計約3千万円に上る見通しだ。上原昭市長が同日、糸満市役所で記者会見し「大変申し訳ない。今後ミスが二度とないよう体制を見直し、再発防止に全力を尽くす」と謝罪した。市は過誤徴収した分は全額返金する。

 過誤徴収の原因は人為的ミスによる算定誤り。06年8月、国が地価変動を踏まえ、公営住宅の家賃算定で使用する市町村ごとの市町村立地係数を変更し、09年度以降の家賃に適応することを通知した。糸満市は係数が0・85から0・9に変更される予定だった。

 しかし09年3月27日、県から市町村立地係数の改正で「係数の値に変更はありません」というメールが届き、後日、文書も郵送されたが、担当者が変更されないことに気付かなかった。

 市では09年度からの係数の改正に向けて08年度から家賃計算の電算システムを導入し、立地係数を「0・9」と入力したまま、引き継ぎされていたという。

 市は今後、過誤徴収額を3カ月ほどかけて調査して補正予算を組み、遅くても9月議会に諮った上で返金作業に入る。過誤徴収の問い合わせは、糸満市建設部建設課(電話)098(840)8138。