「オスプレーの道」歌に 宜野湾市上大謝名の山城さん


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 【宜野湾】宜野湾市の上大謝名に一風変わった地域の歌がある。山城賢栄さん(78)が作詞作曲した「オスプレーの道」だ。米軍普天間飛行場の南側に位置し、上空を頻繁に輸送機オスプレイが飛行することにちなんで曲名を付けた。山城さんは「逆境でも地域で手を取り合って頑張ろうという思いを曲に込めた」と語った。

「オスプレーの道」を歌う山城賢栄さん(左)ら=1月25日、宜野湾市上大謝名公民館

 曲は、上大謝名地域を紹介する歌を作ろうと考え、2015年8月に作った。歌詞は「カンナ花咲(さち)る上大謝名ぬしまや(カンナの花が咲く上大謝名の地域よ)」と始まり、羽衣伝説や新公民館建設などと主に地域の魅力を紹介している。

 4番の歌詞で「上大謝名ぬしまやオスプレーぬ道でむぬ。住み慣れしわしま、戦場どやるい。住み慣れしわしま、いちゃがなゆら(上大謝名の地域はオスプレイの道だ。住み慣れた私たちの地域は戦場なのか。住み慣れた私たちの地域はどうなってしまうのか)」とオスプレイが上空を飛行することへの危機感が歌われている。

 5番は「オスプレーん飛ばん、平和御願(うにげ)(オスプレイが飛ばないような平和を願う)」と締めくくられる。

 1月25日、自治会の老人会・くがにむい会の新年会で仲間2人と共に曲が披露された。山城さんは「曲名に『オスプレイ』と入っているのは嫌だと思う人もいるだろう。だが、現実に飛行しているし、上大謝名と言えばオスプレイという印象がついて回る」と話した。

 老人会の会長も務める山城さん。地域のことを思うからこそ、負の側面も包み隠さず歌う。「オスプレイの飛ばない、平和な地域にしてほしい」と語った。(明真南斗)