古里の味 忘れない 伊江中、給食に牛肉


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 【伊江】2月9日の「肉の日」にちなみ8日、伊江村立伊江中学校(宮里嘉昌校長)の給食で伊江島生まれの牛肉の「焼き肉」が振る舞われた。高校がない伊江島から進学などで島を離れる3年生に向けて地元の味を味わい、地産地消の魅力を知ってほしいなどの思いで村内外の団体が協力した。「島の産業ふれあいプロジェクト」と名付けて昨年度に引き続き実施された。3年生と教職員らは古里の味をかみしめた。

伊江島生まれの牛の「焼き肉」を味わう生徒たち=8日、伊江村立伊江中学校

 プロジェクトには、伊江村出身の本島在住者らで構成する「伊江島会」(山城守松会長・会員約80人)やJAおきなわ伊江支店(内間和宏支店長)、村役場が協力した。「伊江島会」は、同村の島袋秀幸村長や村教育委員会の宮里徳成教育長らも会員で、プロジェクトは宮里教育長が発案した。同会模合の積立金の一部である10万円が寄せられた。

 焼き肉に使用された牛は、伊江島生まれで生後10カ月まで島育ち。霜降りと赤身のバランスが絶妙なA4ランクの肉質。1キロ8千円の牛肉が約10キロ用意された。鉄板の上では「ジュー」と音を立てながら牛肉のうま味の香りを漂わせ、キャベツ、ニンジン、タマネギ、ピーマンの4種類の野菜が合わさり、ぜいたくな「焼き肉」が完成した。約60人分が用意され、あっという間に完食した。

 宮里教育長とJAおきなわ伊江支店の内間支店長はそれぞれ「地元の産業に誇りを持ってもらいたいと先輩方から食材が提供された。郷土に魅力を感じて誇りを持ち続けてほしい」「伊江島の魅力を忘れず、島を盛り上げていこう」とあいさつした。

 3年生の長嶺知世さんは「地元の味を友だちと一緒に味わえて、お店で食べるより100倍おいしかった。感謝の気持ちを忘れず、伊江島をPRしていきたい」と話した。(中川廣江通信員)