県野菜、海上輸送を実験 鮮度保持コンテナ使用


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鮮度保持シートで紅イモを包む関係者ら=14日、浦添市伊奈武瀬の沖縄急送低温センター(県提供)

 県産農林水産物の輸出競争力強化を目指し、県は海上輸送の実証実験を始める。現在主流の航空輸送に比べて輸送費が削減できる一方、輸送日数が伸び鮮度が劣化する課題がある。県は複数種類の鮮度保持機能を持つコンテナを使って青果物の輸送方法を試し、農産物に合った輸送方法の確立を狙う。

 県によると海上輸送は冷蔵コンテナが広く普及し、輸送中の温度を一定に維持できることから輸出業者を中心に期待する声が多い。

 輸送方法は通常の冷蔵に加えて鮮度保持シートで青果物を包む方法や、青果物の熟成や老化を促すエチレンガスの分解機能を持つもの、コンテナ内をチッ素で満たし青果物の呼吸を抑えるものの4種類を試す。

 試験対象は出荷期を迎えた紅イモ、キャベツ、ピーマン、トマト、ゴーヤー、ホウレンソウ、チンゲンサイの7種類。17日に那覇港を出発し、台湾・高雄港を経て21日に香港へ到着する予定だ。

 県流通・加工推進課の幸地稔課長は「低コストかつ鮮度のいい輸送方法を確立し、県産農林水産物の海外展開をさらに推進したい」と話している。