宜野座、高い能力開花 なでしこGK育成選手 夢は国際舞台で活躍


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琉球デイゴスGKコーチの指導の下、練習に励む宜野座令愛=14日、北中城村のしおさい公苑多目的広場(大城直也撮影)

 サッカー女子日本代表「なでしこジャパン」の選手になって国際舞台で活躍するため、羽地フットボールクラブのGK宜野座令愛(れあ)=金武小5年=が日々の練習に励んでいる。今月3~5日には、将来のなでしこジャパンGKを発掘・育成する女子GKキャンプ(静岡県)に招集されるなど、能力が高く評価されている。「なでしこジャパンでたくさんの試合に出場したい」と強い決意を胸に込める。

 小学1年のころから陸上チームに所属し、走り幅跳びで県内大会の上位に食い込むなど実績を残した。サッカーを始めたのは小学校チームの金武FCに助っ人として呼ばれたのがきっかけだった。出場した大会で決勝まで勝ち上がったものの、準優勝に終わった。「優勝したかった」と味わった悔しさが、競技にのめり込むきっかけとなった。俊足を生かしてもともとはFWなどで活躍していた。小学3年の時、優秀な選手を県外に派遣するための選考会に参加。一緒に出場したチームのメンバーが欠場し、GKがいなかったため、初めて挑戦した。そこで好セーブを連発し、GKの才能を見いだされた。

 陸上で鍛えた瞬発力と跳躍力に加えて、どんな状況にも物おじしない強い精神力が持ち味だ。「どんどん前に出て相手がシュートを打つ前にボールをカットする。全然、怖くはない」と強調する。憧れているのはドイツ代表GKのマヌエル・ノイアーで、「守備範囲が広く、攻めの姿勢が好きだ」と語る。

 羽地フットボールクラブの練習に加えて、姉の瑠香(金武中2年)が所属する琉球デイゴスセミーリャスのトレーニングにも参加して技術を磨く。「ノイアーのように飛び出しを速くして、どんなシュートでも止めたい」と憧れの選手に近づくことを目指す。家族や祖父などの支えを受けながら練習を続けており、「いつかオリンピックに出場して、おじいちゃんたちを招待する」と瞳を輝かせる。

 名前の「れあ」は「希少」などを意味する英語の「rare」に由来している。その言葉通り、たぐいまれな才能を開花させた成長株が、夢を実現させるため懸命にボールを追い掛けている。(平安太一)