辺野古、美ら海「壊すな」 海と陸、450人新基地抗議


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 【辺野古問題取材班】米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設で、反対する市民らは18日午前、10隻の抗議船と22艇のカヌーで海上パレードを実施した。海上パレードは昨年12月、埋め立て工事が再開されてから初めて。抗議船には船長を含め約80人が分かれて乗船し、海上の様子が見える名護市瀬嵩の浜では海上パレードに呼応した集会に約300人(主催者発表)が集結した。ゲート前でも工事車両を止めようと約40人が座り込み、合計で約450人が海と陸で抗議の声を上げた。

プラカードを掲げ、ブロック投下やボーリング調査に抗議するカヌーの抗議市民ら=18日午前9時45分、名護市の大浦湾

 海上に移動した市民らは「ブロック投下ヤメロ」「美ら海を守れ」「オスプレイ墜落許さない」と書かれた横断幕10枚を海上フェンスに次々と設置し、プラカードを掲げて抗議の声を上げた。カヌー隊が「SAVE THE DUGONGS(ジュゴンを救おう)」というメッセージが書かれた大型の横断幕を海の上で掲げ、集会参加者にアピールした。

 午前10時すぎ、海上の大型クレーン船が大型コンクリートブロックを投下すると、海上と陸上でシュプレヒコールが上がった。海上パレードに参加した日本共産党の山下芳生(よしき)党副委員長は、海上から集会参加者にあいさつ。「沖縄県民と全国の連帯が日米両政府を追い詰める一番の力になる。新基地建設の強行を必ず打ち破ろう」と呼び掛けた。

 抗議船に乗った親盛節子さん(64)は「ブロックの投下や浮具(フロート)を見て怒りや悲しさが湧き起こった」と指摘。「諦めたら政府の思うつぼだ。『工事を止めなければいけない』とあらためて思った」と力を込めた。船上で、ブロック投下を確認した名護市の谷本大岳さん(65)は「海に飛び込んで止めたい気分だった」と悔しがった。「知事や名護市長が権限で工事を止めると同時に、現場での抗議も必要だ。市民の1人として今後も抗議の意思を示していきたい」と話した。

 船長の1人で、ヘリ基地反対協議会事務局長の仲本興真さんは「多くの県民に海上作業の様子と新基地反対の意思を訴えることができた。大衆運動として盛り上がるように工夫した取り組みを今後も展開したい」と強調した。

英文へ→Don’t destroy the beautiful Henoko sea : 450 people protest against construction of new US base both on sea and land