対馬丸絵画、奄美へ 生存者・上原さん 宇検村に11枚寄贈


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当時の体験を基に描いた11枚の絵を宇検村に寄贈した対馬丸生存者の上原清さん=17日、うるま市高江洲

 【うるま】米軍に撃沈された疎開船「対馬丸」の犠牲者らが多く流れ着いた奄美大島・宇検村に3月、「対馬丸慰霊の碑」が建立されることを受け、生存者の上原清さん(82)は17日、宇検村に絵画11枚を寄贈した。撃沈後、上原さんが陸地に流れ着くまでの体験などを描いた。絵画は宇検村で2月下旬から初めて開かれる対馬丸の展示会で展示される。上原さんは「対馬丸の存在を奄美大島の人も忘れないでほしい」と話した。

 上原さんは沈没後6日間漂流し、沈没したトカラ列島悪石島から約150キロ離れた奄美大島の大和村にたどり着いた。大和村の隣にある宇検村、焼内湾では105体の遺体が引き揚げられたという。「(陸地にたどり着けず)海に沈んでしまった人もいただろう」

 各絵画には手書きで解説も添付した。「(寄贈した)絵が、地元の子どもたちの平和学習などに役立てられれば、僕の責務も果たせたと思う」と話した。