サンゴの7割死滅、過去最悪 沖縄・八重山の石西礁湖、白化が深刻


この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦
サンゴ白化について意見を交換する石西礁湖自然再生協議会=19日、沖縄県石垣市

 沖縄県の石垣島と西表島の間にある国内最大規模のサンゴ礁「石西礁湖」の再生に向けた取り組みを話し合う「石西礁湖自然再生協議会」が19日、石垣市の八重山商工高校で開かれた。専門家や関係者ら約50人が参加し、昨年発生した大規模白化で約7割の群体が死滅した状況などを確認。報告では過去の大規模白化と比べても深刻であることが指摘され、今後の対策などについて意見交換した。

 琉球大学海洋自然科学科の中村崇准教授は環境省とともに昨年9月に調査しサンゴの種別でまとめた白化現象について報告。35地点で約6400群体を調べ、11種別の白化率などを分析した。結果コブハマサンゴを除く10種類で98%以上が白化、うち4種類は100%だったことを説明した。

 その上で「一度大規模な白化現象が起こると、地形の複雑さが失われ、多様性をつくる環境にも影響を与える。藻類の繁茂で元に戻りにくくなる」と指摘し「原因が分からないと対策もできない。どの種のサンゴが残り、どこの被害がひどいのかなど把握し分析するため継続的なモニタリングが重要だ」と提起した。

 そのほか昨年の海水温の状況やサンゴの病気などに関する報告もあった。

 同協議会は2006年に設置。今回で20回目。