【アメリカ】3世の下院議員が宣誓 ムラツチ氏、和太鼓の祝福も


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就任式典でレンドン下院議長(左)の前で宣誓するアル・ムラツチ氏とその家族=11日、米カリフォルニア州のトーランス市庁舎

 昨年11月の米カリフォルニア州議会選挙で当選し、同年12月にカリフォルア州下院議員に就任したアル・ムラツチ(村土)氏(民主党)の地元選挙区での宣誓式が11日、トーランス市庁舎で執り行われた。カリフォルニア州議会第66地区(トーランス、ガーデナ、リドンドビーチなどの市を含むサウスベイ地区)の代表として選出された。

 式典ではノースハイスクールの星条旗を持ったボーイスカウト、ガールスカウトらの主導で全員が起立し、アメリカへの忠誠宣言がなされた。

 続いて、トーランスのパトリック・フューリー市長、ジャニス・ハーン・ロサンゼルス郡スーパーバイザー、ロサンゼルス市議の3人の祝福のあいさつがあった。和太鼓グループが太鼓で当選を祝した後、アンソニー・レンドン下院議長の前でムラツチ議員がアメリカやカリフォルニア州に貢献することを宣誓した。

 ムラツチ議員はカリフォルニア州の下院議員としての役割について触れ「自分の選挙区のために強い意志をもって闘っていく」と宣言した。「より豊かな地域づくり、スモール・ビジネス、宇宙開発、教育の改善や女性の地位向上、兵役経験者や移民らがより良い生活ができるような環境づくりに努力する」と力説すると、参加者から大きな拍手が送られた。

 ムラツチ議員は岐阜県の両親の下、沖縄で生まれた日系3世で、米軍基地内の久場崎ハイスクールを卒業後、渡米した。カリフォルニア大学バークレー校で学士、ロサンゼルス校(UCLA)で法学博士を取得した。

 今回が2期目の当選。大の日本文化・芸能愛好家として知られるムラツチ氏は、今回の就任式でも娘のソフィアさんに当選を祝ってダルマの目に「○」を書き入れてもらっていた。

 一方、心はウチナーンチュと公言するムラツチ氏は沖縄の「なんくるないさ」を体現したかのような態度を「妻の博子に叱咤(しった)されたこともあった」と笑った。(当銘貞夫通信員)