知念(日体大)走攻守に躍動 日本一へ貪欲


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走者を進めるため、送りバントをしっかり決める知念佑哉=23日、沖縄電力野球場(崎原有希撮影)

 沖縄尚学高校野球部時代に甲子園に春夏連続出場した知念佑哉が、首都大学野球連盟1部の日体大で、2番打者の中堅手として躍動している。日体大野球部の10日間の久米島合宿を終えた翌日の23日、浦添市の沖縄電力野球場で同野球部とのオープン戦を行った。高校時からの県内屈指の広い守備範囲と50メートル6秒の俊足は健在。この日、攻撃では1犠打2安打、守備では右中間に抜けそうな当たりを好捕し、失点を防ぐプレーを見せた。上々のスタートにも「まぁまぁ」と満足せず、向上心は尽きない。

 右肩関節の炎症の影響で、大学入学当初から2年の春先まで、まともに練習ができなかった。周囲と同じ練習ができないことをマイナスとせず、投げる以外の体幹強化や打撃、走塁などの技術を磨くことに力を注いだ。自分で考えて動くことの大切さを、より学んだ時期だ。

 高校時代は進塁のスタートに自信がなく、当初盗塁は苦手だった。しかし3年生になって、監督からの「アウトになってもいい」という助言で気持ちが吹っ切れた。盗塁への恐怖心もなくなった。故障の期間に走塁について考える時間が増えたことも奏功した。「足で相手をかき乱し、機動力を生かしたい」。大学でも足を生かしたプレーに自信を見せる。

 けがが癒え、自主練習による追い上げもあり、大学2年の秋季リーグの途中からメンバー入り。持ち前の俊足や広い守備範囲、高いミート力やバント技術に加え、課題の送球も克服すると、3年の春にはスタメンにも名前を連ねるようになった。

 最終学年が目前に迫り、監督からもレギュラーとしての活躍を期待されている。「結果を出したい。春秋のリーグを連覇して日本一になりたい」。貪欲に上を見据え、卒業後は社会人野球の強豪チーム入りを目指す。

 目標を掲げる上で、下半身の強化と打率の向上、出塁後の走塁など課題への対策も忘れてはいない知念。「足でチャンスをつくる」ことを目標に、167センチと小柄な21歳が大きな夢を描く。(崎原有希)