久場とよさん死去 95歳、沖縄女流画壇を牽引


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 沖縄女流画壇をけん引してきた画家の久場とよさん(本名トヨ)が26日午後5時15、老衰のため自宅で死去した。那覇市出身。95歳。告別式の日取りは未定。喪主は長男の政史(まさふみ)さん。

 久場さんは那覇市の出身。戦前、那覇尋常小学校で島田寛平氏に、県立第二高等女学校で名渡山愛順氏に絵を学んだ。県立第二高女学在学中に中央公募展で入選するなど画才を発揮した。

 戦後、薬剤師として働きながら創作活動を続け、沖縄画壇の第一線で活躍した。人の内面をも浮かび上がらせるような静謐(せいひつ)な人物画は、高く評価されてきた。1977年に沖縄女流美術家協会の初代会長に就任し、沖縄女流画壇のまとめ役を担ってきた。

 2005年には国際通りに「ギャラリー星座」を開店し、晩年まで創作活動にいそしんできた。91年に県文化功労者賞を受賞している。夫は琉球大学教授で県振興開発審議会会長を務めた久場政彦氏(2010年死去)。
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