沖縄県内男性が脳死移植 2例目、腎臓など臓器提供


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 日本臓器移植ネットワークは26日、沖縄県内の病院に低酸素脳症で入院していた成人男性が25日午前9時41分、臓器移植法に基づく脳死と判定されたと発表した。27日午前6時31分から、提供臓器の摘出手術が行われた。県内医療機関での脳死による臓器提供は、2015年3月、県立中部病院で行われて以降2例目で、国内では436例目。

 本人の意思を示す書面はなかったが、家族が提供を承諾した。家族の意思による提供は263例目。24日午前10時、家族による脳死判定承諾書などの受領が行われた後、24日同11時25分~と25日同7時27分~の2回、脳死判定があった。

 摘出された臓器のうち腎臓は、豊見城市の豊見城中央病院に搬送され、腎不全で透析を必要とする慢性糸球体腎炎の50代男性に移植された。移手術は27日正午~午後4時半すぎまで行われた。手術に当たった、大田守仁外科部長は「臓器提供の機会は突然やってきて考える間もなく過ぎてしまう。今回のご家族もいろいろな思いがあったと思う。県民もぜひ、臓器提供について考える機会にしてほしい」と話した。

 ほかに肝臓は岡山大学病院で非代償性肝硬変の60代男性に移植される。移植手術は27日昼すぎに始まり、28日未明に終了予定。膵臓(すいぞう)ともう片方の腎臓は千葉東病院に運ばれた。糖尿病性腎症の30代女性に移植される。心臓、肺、小腸は医学的理由で提供を断念した。