文書開示請求を放置 「飛び級」問題で南部水道


この記事を書いた人 新里 哲

 南部水道企業団(赤嶺勤企業長)がいわゆる「飛び級」など規則で認められていない給与支給を行っていた問題に関連し、企業団が職員の昇給過程を記した資料の文書開示請求に対して受け付け処理せずに「非開示」処分を下していたことが1日までに分かった。非開示決定を不服とした審査申し立ても受け付け処理していなかった。審査申し立てから4カ月以上経過した2月24日時点でも申し立てに対する審査を行っていない。企業団は「(処理方法は)適切ではなかった」と不適切な処理だったことを認めた。

 企業団は文書取扱規定で、受取人を特定する親展文書などを除く全ての到達文書について、開封して受け付け印を押すなどの処理を定めている。

 本紙が2016年8月に企業団の設置条例などを開示請求した際は規定通りに受け付け処理し、同月中に請求があった文書全てを開示した。一方、9月1日付で職員の昇給過程を記した文書の開示を求めたところ、企業団は受け付け処理しないまま、同13日付で「公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼす恐れがある」として非開示を決定し、本紙に通知した。

 本紙は同年10月に非開示決定を不服として審査を申し立てたが、4カ月以上経過した17年2月24日時点でも受け付け処理をしておらず、申し立てに対する審査も行っていない。

 企業団は16年11月末に開いた12月定例議会で文書公開に関する条例制定案を議決した。

 規定で定めた受け付け処理を行わなかったことについて、南部水道企業団の外間匠総務課長は「(文書到達時に)関連する条例がなかったことから、受け付け処理しなかった。顧問弁護士と相談して対応したが、受け付け処理しなかったのは適切ではない」と述べた。(当銘寿夫)