最低賃金破り、沖縄は全国最悪5%


この記事を書いた人 平良 正

 国が定める最低賃金を下回る給与で働く中小企業労働者の比率(未満率)で、全国の値と比較できる直近の2015年度の県の比率が5・2%となり、全国で最も高くなっていることが、2日までに琉球新報の厚生労働省と沖縄労働局への情報公開請求で分かった。公開された12年度から15年度の4年連続で全国平均を上回る値で、ワーストからワースト9位を低迷している。平均所得が全国で最も低いにもかかわらず、国が定めるルールを無視した低賃金労働が全国よりも高い割合で県内にはびこっている実態が浮き彫りになった。

 16年度の未満率は2・9%でワースト6位だった。
 県内では、パートやアルバイトといった最低賃金で働く非正規労働者に頼る中小企業や離島の零細企業などが多く、最低賃金を順守させるための周知などが急務となっている。
 県内の未満率は、15年度が全国平均を3・3ポイント上回る5・2%で、14年度は0・4ポイント上回る2・4%でワースト9位、13年度は1・2ポイント上回る3・1%でワースト4位、12年度は2・2ポイント上回る4・3%でワースト2位だった。
 厚労省は毎年6~7月に、全国の労働局を通してパートなどを含む従業員が30人未満(製造業などは100人未満。建設業や運輸業は対象外)の約10万事業所に従業員給与を調査し、未満率を割り出している。秋(10月ごろ)の最低賃金改定の参考にし、地方最低賃金審議会に提出される。
 県内の最低賃金を決める沖縄地方最低賃金審議会は16年8月に、16年度の時給を21円増の714円にすることを決定し、同年10月1日から発効している。(金良孝矢)