う~、マンボウ! 中学生が熱帯の珍魚発見


この記事を書いた人 平良 正
友達の女子中学生が発見したクサビフグを捕まえた城所駿介さん=2月15日、名護市(岸本香織さん提供)

 【名護】琉球列島よりも南の温帯から熱帯の外洋に生息するマンボウ科の魚「クサビフグ」(全長約60センチ、重さ約6キロ)が名護市港の海岸に漂着し動けなくなっているのを市内の中学生2人がこのほど発見した。回収した名護博物館によると国内での確認は珍しく、生態解明が進んでいない種類で、保存や調査・活用方法を検討している。身近な海で珍魚を見つけた中学生らの思わぬ“お手柄”となった。

 最初に発見したのは市内の中学2年生の女子生徒(14)。2月15日午後1時半ごろ、名護市民会館に近い海岸の浅瀬で見慣れない大きな魚が弱った様子で動いていた。中学1年生の城所(きどころ)駿介さん(13)も気付き、捕まえた。城所さんは「硬く、重みがあった」と印象を語った。2人は貴重な発見に「うれしい」「保存して残してほしい」と笑顔を見せた。

 連絡を受けた名護博物館の村田尚史学芸員が駆け付けた際には既に死んでいたという。現在は同館で冷凍保存中だ。標本化や遺伝子の調査のため研究者に提供するかなど検討している。

 村田学芸員は漂着した原因について「(同種が)2008年にオーストラリアで暖流に乗って打ち上がった例があるようだ」と黒潮の影響を受けた可能性も指摘した。