公営住宅入居保証人 10市町村も「年収200万超」 弾力運用「入居は可能」


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 沖縄県が県営住宅入居者の連帯保証人の条件を「年収200万円以上」と設定していた問題で、公営住宅を運営する県内38市町村のうち、少なくとも10市町村も同様に設定していたことが2日、分かった。10市町村のほとんどで保証人の条件は入居者の状況に応じるとして年収の条件は「絶対ではない」とするが、専門家は「一律な設定を見直すべきだ」と指摘する。

 入居者の連帯保証人資格で「年収200万円以上」を条件としているのは那覇市、豊見城市、糸満市、宜野湾市、うるま市、宮古島市、嘉手納町、北谷町、与那原町、読谷村の10市町村だった。そのうち那覇市以外の市町村では「自営業は所得が130万円以上」としている。

 各市町村によると、連帯保証人の資格基準とする年収200万円は、公営住宅法で入居者の世帯収入として定められた「月額15万8千円以下」の年収を基準に、入居者の上限年収よりも多い者として「200万円以上」と設定したとする。

 一方、保証人の年収を設定しつつも、県も含めて「入居者の緊急時に対応する人」との認識に基づく自治体が多い。那覇市では資格に満たない場合は相談するようただし書きを添えており「相談があれば年収200万円以下でも認めている」(市担当者)とする。嘉手納町も所得基準は「絶対ではない」とした上で「保証人2人のうち金銭面の保証をするのは家賃保証会社でもいい」とする。うるま市では、保証会社も保証人と見なす条令改正案を2月議会に提出した。

 そのほか、伊江村は160万円以上、沖縄市は120万円以上、名護市と東村は100万円以上と設定している。25市町村は「入居決定者と同程度以上」との条例の表記にとどめるなどして、具体的な数字を記載していない。北大東村、本部町は担当者が不在で確認できなかった。