県人協力で墓参実現 東京在住の安谷屋さんら姉妹 「亡き父へ親孝行」


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 亡き父の思いを受け継ぎ、米国ハワイにある本家の墓を探していた姉妹の願いが、沖縄ハワイ協会(高山朝光会長)を経てつながった現地の県系人ネットワークからの情報でかなった。県出身で東京在住の安谷屋邦子さん(63)ら姉妹は2月25日、父・玉城徳源さん=享年96歳=の3回忌で昨年12月に実現したハワイの墓参を報告。安谷屋さんらは「親孝行ができた。兄2人も一緒にハワイを再訪し、親戚も探し出したい」と語った。

 安谷屋さん、下畑好美さん(61)、高見澤徳子さん(56)3姉妹は、生前徳源さんが言っていた「いつかハワイに住む私のいとこに会いに行ってほしい」との思いを実現しようと計画。徳源さんが自分史に掲載していた、本家・玉城家の墓を撮影した1973年の写真を基に、情報収集を開始した。

 安谷屋さんらは昨年9月、沖縄ハワイ協会が同様の要請に応え、県系人のネットワークを通じて親類の墓を見つけたことを報じる新聞記事を読み、同協会に問い合わせた。連絡を受けた高山会長を介してハワイ出身の日系3世瀬分(せわけ)コリン善久さん(45)=読谷村=が手掛かりの写真をハワイ在住の県系人にメールで送り、情報提供を呼び掛けた結果、情報を得て墓の場所が判明した。

 安谷屋さんによると、徳源さんは分家である父親の墓に埋葬されていた祖父の遺骨を、ハワイに移住していた本家の墓に改葬するため、73年夏に渡航したという。3姉妹は昨年12月18日にハワイに墓参し、写真の徳源さんと同じように墓の隣に並んだ記念写真も撮影した。

 高山会長や瀬分さんは「3姉妹が墓参りできて良かった。親戚探しでも連携が図れると思う」と引き続き協力していくことを約束。安谷屋さんらは「高山会長も父と同じ羽地出身で、墓を探してくれたハワイ沖縄連合会のクリス・島袋前会長とも縁があることが分かった。父の写真が導いてくれたようだ」と涙ぐみながら語り、多くの人々の協力に感謝した。