市町村の変遷 一冊に 作業8年、行事や戦史も 糸満出身の上原さん


社会
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「糸満市・沖縄県・各市町村の変遷 王府時代から~現在まで」を出版した上原賢三郎さん=那覇市内

 【糸満】糸満市役所に30年勤務し、広報や市史編集担当などを務めた糸満市出身の上原賢三郎さん(74)=那覇市=がこのほど、「糸満市・沖縄県・各市町村の変遷 王府時代から~現在まで」を自費出版した。8年がかりで県内全市町村の変遷をまとめた上原さん。糸満市内の全小中学校と糸満高校、沖縄水産高校、西崎特別支援学校、市内の図書館などに寄贈し「糸満と各市町村の基本的な歴史を紹介したので、小中学校の教材として活用してほしい」と話している。

 上原さんは退職後、広報などで使用した糸満の資料を整理していた。「最初は糸満だけの予定だったが、各市町村の歴史を分かりやすくまとめた本がないことに気付いた」と話す。

 糸満市のあゆみや門中行事、沖縄戦などを紹介。合併前の51市町村も変遷や立地、沖縄戦、活躍した人などジャンルごとにまとめた。琉球王統や沖縄県の流れも掲載した。文字も大きくし、読みやすくした。資料として、1574年から2123年までの十干十二支が一目で分かる早見表も作成した。B5判、167ページ。500冊発行。

 一般販売はせず、糸満市内の学校や友人らに配布した上原さん。「沖縄に移住した県外出身者などみんなから喜ばれている」と語った。