大城さつき、惜しくもV逸 ダイキン女子最終日


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 女子ゴルフの第30回ダイキンオーキッドレディストーナメント最終日は5日、南城市の琉球GC(6617ヤード、パー72)で行い、2位からスタートした大城さつきは3バーディー6ボギーとスコアを落とし、通算4アンダーの3位でツアー初優勝を惜しくも逃した。2位から出たアン・ソンジュ(韓国)が73で回り、通算6アンダーの282で通算23勝目を挙げた。賞金2160万円を獲得。首位スタートの川岸史果は76と崩れて1打差の2位だった。3位は大城のほか2年連続賞金女王のイ・ボミ(韓国)。畑岡奈紗は2オーバーの18位、宮里藍は13オーバーの59位だった。県勢はそのほか比嘉真美子は7位、宮里美香が25位、上原彩子が27位、上原美希が43位、川満陽香理と新垣比菜は46位。新垣は5年連続のベストアマに輝いた。(観衆8894人)

◆最後まで攻めの姿勢/大城「次は優勝したい」

2番 チップインバーディーを決めガッツポーズを見せる大城さつき=5日、南城市の琉球GC(具志堅千恵子撮影)

 川岸史果とアン・ソンジュに1打差をつけられた最終18番ホール(パー5)。「全部狙うしかなかった」。強気の2打目がグリーン左のバンカーに捕まっても「(カップに)入れる気満々」で迷いなく打ち込んだ。最後まで攻め抜いた結果の3位。初の表彰式では悔しさが募り「次は優勝インタビューをしたい」と雪辱への思いを高めた。

 前半2番では、車いすで駆け付けた父の前でチップインバーディー、続く3番でボギーをたたいたが4番でバーディーと持ち直す。が、タフなゴルフが待っていた。精度が甘くなったショットがラフに飛び、9番は2打目が客席へ。うまくボギーにとどめたが11、12番は狙った位置に乗せられず、連続3パットで余計な打数を増やした。

 主催者のダイキン工業、井上礼之会長の推薦で出場した。常に優勝争いに食い込み地元開催の大会を盛り上げたが、順位に満足していない。苦しい最終日だったからこそ「イーブンで終わるつもりだった」。何よりもチャンスをくれた井上会長に「優勝して『ありがとうございました』と言うつもりだった」と話す。

 優勝を狙える技術と精神力を養えたのはトレーナーの宮崎裕樹氏の下で心技体を鍛えた経験が大きい。宮崎氏が「彼女が殻を破って成長できるようサポートした」と語るように、本大会で大城が見せたプレーがその証しだ。ひと皮むけた大城は、モチベーションを高く持つためレギュラーの大会に照準を絞るつもりだ。「来週の大会に出場できるので、しっかり準備して挑みたい」と気合を入れ直した。(嘉陽拓也)