デイゴとヒナ よろしく 宮古馬2頭誕生


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母馬ハナ(右)の母乳を飲む子馬のヒナ=宮古島市の荷川取牧場

 【宮古島】県指定天然記念物の宮古馬を飼育する宮古島市平良の荷川取牧場でこのほど、雌の馬が2頭生まれた。宮古馬は日本に8種しか存在しない在来馬の1種で、県内には47頭しか飼育されていない。2頭とも母馬に連れ添って元気に過ごしている。関係者は「宮古馬は絶滅が危惧されている。保存に力を入れていきたい」と話した。

 2月11日に5歳の母馬「ハナ」から生まれたのが「ヒナ」だ。ハナは生まれてすぐに母が死に、発育不良だった。牧場関係者は「子馬が生めるとは思っていなかった」と驚いている。母馬に似ておとなしい性格だ。25日に14歳の母馬「チュラ」から生まれたのが「デイゴ」だ。デイゴは警戒心が強いチュラのそばを離れることは少ないが、人にも興味を持って近づいてくる。

 宮古馬は近年、雌馬より雄馬が増えており、保存に向けた課題となっていた。牧場主の荷川取明弘さん(58)は「雌が生まれてホッとしている。多くの人に見に来てもらいたい」と話した。

母馬チュラ(奥)に寄り添う子馬のデイゴ=宮古島市の荷川取牧場