稲田氏「共同使用」に同調 米軍再編後、訓練が急増


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 【東京】稲田朋美防衛相は10日の衆院安全保障委員会で、在沖米軍トップのローレンス・ニコルソン四軍調整官が県内全ての米軍基地を自衛隊と「共同使用すべき」と主張したことに関して「今後充実させるべきだ」と同調した。防衛省は、米軍基地・施設での自衛隊の訓練数や研修が増加していることも明らかにした。特にキャンプ・ハンセンでの訓練数は急増している。赤嶺政賢氏(共産)の質問に答えた。

 赤嶺氏は「米軍再編は『沖縄の負担軽減』といいながら、自衛隊が米軍基地を使って訓練している。負担はどんどん重くなっている」と指摘した。稲田氏はその他の米軍基地の共同使用について「何ら決まったことはない」と強調した。

 ただ、共同使用する施設は増えている。日米両政府は2006年5月に合意した米軍再編ロードマップ(行程表)でハンセンについて「陸上自衛隊の訓練に使用される」と明記。ハンセンは07年度に共同使用が始まり、ホワイトビーチでも11年度から行われている。15年10月には日米合同委員会で北大東村の「沖大東島」と周辺水域・空域を自衛隊が恒常的に共同使用することも合意された。

 ハンセンでは沖縄に配備されている陸上自衛隊第15旅団の部隊が射撃や市街地戦闘、爆破訓練などを実施。年度ごとの訓練回数は07年度1回、08年度6回、09年度8回、10年度8回、11年度14回、12年度24回、13年度36回、14年度47回、15年度95回、16年度は2月24日までに85回。1回の訓練で最長は10日だった。

 沖大東島では13年11月に陸海空自衛隊の統合部隊訓練、15年11月と16年6月に海自護衛艦による対地射撃訓練などが行われた。

 米軍基地内での自衛隊の研修も増えている。陸自は08年度の8件から徐々に増え15年度は21件となった。海自は08~15年度まで毎年度1件。空自は08年度は17件、15年度には26件あった。