国民学校一年生の会 最後の「修学旅行」 平和学び、5月解散


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「アリランの碑」の前で黙とうをささげる「国民学校一年生の会」=7日、宮古島市上野野原

 【宮古島】民主主義や平和主義、基本的人権を尊重し、戦争を起こさないことを理念に1999年に発足した全国組織「国民学校一年生の会」は6~9日、県内で最後の「修学旅行」をした。米軍ヘリパッド問題で揺れる東村高江の見学を皮切りに、7~9日は宮古島市を訪れ、陸上自衛隊配備計画の候補地や戦跡などを巡った。

 同会は、1934年4月2日から35年4月1日の間に生まれ、41年度からの6年間に国民学校の生徒だった人々が中心メンバーとなり発足した。会員の高齢化を理由に5月18日に解散する。

 節目の選挙で「オール沖縄」勢力が超党派候補擁立を実現し、本土の野党共闘のモデルになった沖縄を最後の修学旅行の地に選んだ。

 宮古島に到着した一行は7日、太平洋戦争中に朝鮮人「慰安婦」が宮古島に連行された歴史を伝える「アリランの碑」や、陸自駐屯地の配備が計画される「千代田カントリークラブ」などを視察した。

 市出身で島内外の国民学校で6年間を過ごした仲宗根将二さんも同行し、宮古島の歴史を伝えた。市中央公民館で開かれた仲宗根さんの講演会では、宮古島と本土の国民学校の違いが話題に上がった。

 九州に疎開する前までの一時期、宮古島の国民学校に通っていた仲宗根さんは「教育勅語をよく覚えさせられた。覚えてなくて廊下に立たされた人は多かった。昔は体罰は普通だった」と振り返った。

 佐々木武志さん(82)=札幌市=は「沖縄の闘いは全国の注目を浴びている。地元の人々に伝わっている抵抗の根性を肌で感じた」と語った。