社会

学徒の悲劇 忘れない 沖縄県、全21校 碑に刻む 平和祈念公園

沖縄戦で「学徒隊」として戦場に駆り出された、旧中等学校全21校の名を刻んだ「全学徒隊の碑」の除幕式に出席する元学徒ら=14日午前、糸満市の平和祈念公園

 沖縄県は14日、沖縄戦で県内21の師範学校、中等学校などの学徒が戦場に駆り出された事実を後世に伝える「全学徒隊の碑」を糸満市摩文仁の平和祈念公園内に建立し、除幕式を行った。元学徒ら45人が出席し、「学徒動員」の末に10代で亡くなった同級生に黙とうをささげた。学徒隊の慰霊碑は県内各地に点在するが、全校名が記された合同石碑はこれまでなかった。

 沖縄戦では県内すべての学校から学徒が戦場に駆り出され「学徒隊」と呼ばれた。男子は鉄血勤皇隊や通信隊として戦闘参加や弾薬運び、通信などの任務に当たった。女子は陸軍病院や野戦病院で負傷兵の看護に従事した。

 県師範学校女子部と県立第一高等女学校から動員された「ひめゆり」が全国的に知られる一方、その他の学徒隊の悲劇が風化するのを懸念し、元学徒が県に合同石碑の建立を要請していた。

 正確な数字は分かっていないが、ひめゆり平和祈念資料館の調べによると、男女合わせて1900人超が動員され、約半数の981人が戦死した。

 石碑には学徒隊の説明、各学校の校名と学徒隊の通称、各学校があった位置が記された。動員数や犠牲者数は「正確な数字が把握されていない」として刻銘を見送った。

 県は「石碑は慰霊碑ではなくモニュメント的存在」と位置付けており、慰霊祭の開催予定はない。

 除幕式で翁長雄志知事のあいさつを代読した浦崎唯昭副知事は「この石碑が多くの方々の目に留まることで、学徒の尊い命が失われたという歴史的事実を知り、当時の学徒隊に思いをはせ、平和を希求する心を育んでもらうことを期待する」と述べた。