沖縄県人の奮闘、演劇に ハワイで披露へ


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最終日舞台「果報守御申上さびら ハワイ移民編」の練習に熱が入るハンズオンの生徒ら=9日、北谷町桑江のニライセンター

 【北谷】しまくとぅばの継承などに取り組む沖縄ハンズオン(北谷町)の子どもたちが、ハワイで17日から19日まで開かれる琉球アイデンティティーカンファレンスに出演する。ハワイの県系人による琉球芸能団「御冠船歌舞団」からのラブコールで実現した。安慶名達也理事長は「ルーツ発見の旅にしたい」と話し、先住民族の文化や言語の復興が進んでいるハワイでの、子どもたちの成長に期待を膨らませた。

 カンファレンスのテーマは「夢(imi) seeking our dreams(夢を探す)」。うちなーぐちで「夢」を意味する「いみ(imi)」がハワイ語では「探す」を意味することから付けられた。ハンズオンは初日と最終日に出演する。初日は人類館事件や方言札、謝名親方の話を中心に琉球民族の歴史を紹介する。最終日は、ハワイに移民した県系人の奮闘を描いた劇を佐渡山豊の「ノーモアレイン」などの歌とともに演じる。

 劇では、米ハワイ州在住の県系4世のブランドン・イングさんが作詞・作曲した「しまくとぅば」も歌われる。9日の練習では、歌に感情を込めるために歌詞の読み合わせが行われた。「しまくとぅば忘(わ)しーねー国ん忘しゆん 国忘しーねーうやん忘しゆん」の部分では「自分たちの言葉を忘れることは、古里を忘れて親や先祖のことを忘れることになるんだよ」と上級生が下級生に教える姿が見られた。

 舞台で移民の役を演じる玉城臣之輔さん(16)は「厳しい環境でも家族のために頑張り、道を切り開いていった人々の様子を一生懸命演じる。伝統をつないできたハワイの人から勉強したい」と意気込んだ。