キングス4位浮上 Bリーグ第44戦


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 プロバスケットボールBリーグ1部の琉球ゴールデンキングス(西地区5位=19勝24敗)は18日、沖縄市体育館で三遠ネオフェニックス(中地区2位=25勝18敗)と今季第44戦を行い、70―67で競り勝って3連勝とした。この日の結果で、キングスは4位に浮上した。第1クオーター(Q)のキングスは各選手がボールを共有し、レイショーン・テリーが内外からリングを攻めて点を重ねた。第2Qは守備で踏ん張りながらも得点が伸び悩み、一時は三遠に詰め寄られた。それでも金城茂之の3点弾などで突き放し、36―31とわずかにリードして前半を終えた。第3Qは三遠にインサイドを攻め立てられ、同点に追いつかれた。それでもテリーが攻撃を引っ張り、粘る三遠を振り切った。三遠との第2戦は19日午後6時から同会場で行う。(観客3246人)

キングス 20勝24敗
 70―67(20―15,16―16,13―15,21―21)
三遠 25勝19敗

 【評】キングスのテリーがチームを引っ張り、追いすがる三遠を振り切った。テリーは第1Qから内外で点を重ね、キングスが序盤からリードを奪った。一方でテリー以外の選手がシュートを決められず、第3Qに同点とされた。第4Qにテリーが要所で得点して、キングスが白星を引き寄せた。三遠は主力選手2人を欠きながら、積極的なプレーを貫いて善戦した。(平安太一)

◇勝つも課題多い
 伊佐勉HC(キングス)の話 勝ててほっとしているが、課題が多い試合だった。テリー選手があれだけ得点をしているのに接戦になっていた。ほかの選手のシュート精度が低く、リバウンドも相手に取られすぎた。明日はすべてを修正して戦わなければいけない。

◇テリー、予想外
 藤田弘輝HC(三遠)の話 悔しい敗戦だったが、最後まで戦った選手を誇りに思う。テリー選手に42点を取られたことは予想外だったが、それ以外は僕らがいいバスケットをしていた。明日はもっとエナジーを出して、チーム一丸となって勝ちにいく。

◇テリー爆発 42得点

第4クオーター、シュートを決めるレイショーン・テリー。この日42得点をマークした=18日、沖縄市体育館(又吉康秀撮影)

 なかなか点を伸ばせない重苦しい試合で、テリーの存在が光った。試合の序盤に奪ったリードを守りきれず、三遠に同点とされた第3Q。相手の激しい守備を受けながらテリーがシュートをねじ込み、バスケットカウントのフリースローも獲得した。三遠が追い上げてきた第4Q終盤も冷静に3点弾を沈め、「自信を持ってプレーできた」と口元を緩める。この日は42点と爆発し、チームの総得点の半分以上を稼いだ。

 薄氷の勝利だった。三遠は主力の外国籍選手2人が欠場し、第1Qの開始直後は戦力で上回るキングスが主導権を握った。しかしテリー以外の選手が勢いに乗り切れず、なかなか三遠を引き離せなかった。テリーが孤軍奮闘したことで、リードを保ったまま前半を乗り切った。

 後半はオフェンスリバウンドを拾って波状攻撃を仕掛けてくる三遠の勢いに押された。伊佐勉HCも「(三遠のリバウンドを)取る気持ちが違っていた」とたたえる。第4Q残り1分を切ってキングスのリードはわずか3点。三遠が放った最後の3点弾がリングにはじかれたため、辛うじて勝利した。

 テリーは「厳しいゲームだった」と汗をぬぐう。勝利で上位浮上へ望みはつないだため、「集中して目の前の試合をやりたい」と次戦に向けて気持ちを切り替えた。

(平安太一)