那覇国際(女子)興南(男子)がV 県高校春季ハンド


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 ハンドボールの第7回KBC学園杯争奪第41回県高校春季選手権大会の男女決勝は19日、八重瀬町東風平運動公園体育館で行い、女子は那覇国際が25-23で那覇西を破り、初の頂点に立った。男子は興南が21-20で那覇西を制して、優勝した。24日から兵庫県で開幕する全国選抜大会に、九州代表として出場する女子の浦添商と浦添、男子のコザは県春季選手権大会には出場していない。

◇攻守一丸「考える」徹底 女子・那覇国際

後半、サイドからシュートを決める那覇国際の真座あすか=19日、八重瀬町東風平運動公園体育館(大城直也撮影)

 進学校で練習時間も限られている那覇国際が「自らで考えるハンド」で多彩な攻撃を展開し、那覇西を打ち破った。全国選抜に強豪の浦添商と浦添が出場する今大会だからこそ「絶対に優勝する」と目標を一点に一致団結。本年度で異動する眞榮城敦監督の花道を飾る優勝をもぎ取った。

 互いに堅守速攻のチームだが、勝負を分けたのは那覇国際のセットプレーだった。右45度の真座あすかと比嘉恭花のポストプレーや、左45度の上江洲利保が守備をずらして普久原きららへのシュートへと何度もつないで得点。那覇西も連係守備からエースを中心に攻め立てたが、那覇国際が常にリードを守り続けた。

 15―13で臨んだ後半は、相手の素早い攻撃にワンテンポ後れた守備になり、警告や退場が相次いだ。一時は4人で守る場面もあったがうまくしのぎ、右の具志堅真伊子が厳しい角度でも点を奪うなど主導権を渡さなかった。昨冬からセンターを担う棚原未鈴の両45度を生かすパスワークと位置取りも攻撃の要となった。

 眞榮城監督の「考えて試合を組み立てる訓練」の指導の下、自主性を伸ばした選手ら。自らで思案し組み立てた攻守のイメージを共有し、競った場面でも臨機応変にミスも少なく攻撃をつないだ。

 12得点を挙げた真座は「眞榮城先生が生活面でもみんなの良いところを伸ばしてくれた。夏の総体でも優勝を目指したい」と満面の笑みで語った。選手らに胴上げされた眞榮城監督は「選手の強い気持ちがあふれるいい試合だった」と涙を拭った。(嘉陽拓也)

◇個々の能力発揮 1点差逃げ切る 男子・興南、連係に課題も

後半、シュートを放つ興南の東潤平=19日午後、八重瀬町東風平運動公園体育館(大城直也撮影)

 興南は個々の身体能力の強さを発揮し、那覇西を1点差で振り切った。ただ、大差で優勝するはずだったがチームプレーがかみ合わず、単発となったシュートの決定率も低く、試合内容は不完全燃焼だった。

 序盤から攻守でかみ合わず、那覇西を勢い付かせた。選手交代で流れを変えようとしたが、悪い流れを断ち切れない精神面の弱さが目立ち、競り合う展開から抜け出せなかった。

 一方で東潤平の個人技を中心に比嘉麻人の展開力や渡具知傑の守備力などは随所に光っており、チームとしてまとまれば一気に飛躍する可能性をうかがわせた。比嘉主将は「課題を洗い出し、夏の総体ではコザにリベンジを果たし全国に行く」と気合を入れ直した。