沖国大、男子組手V 県空手道連盟団体選手権


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 県空手道連盟の第32回空手道・古武道演武大会は19日、豊見城市の沖縄空手会館で行った。同会館での県規模の演武大会は初。県内の道場などで技を磨く1300人を超える参加者がそれぞれの流派の形を披露した。第11回団体組手選手権大会は競技を行い、男子は沖縄国際大、女子はうるま空手スクールが優勝した。

 大会は沖縄尚学高校で必修授業として空手を学ぶ約190人の生徒が、団体演武を披露して幕開けした。沖縄剛柔流空手道協会や沖縄小林流空手道協会、沖縄劉衛流空手・古武道龍鳳会などの団体から100人超が出場し、演武を披露した。そのほか、それぞれの団体や個人が流派の基本形などを演じた。主催する連盟の照屋幸栄会長が沖縄剛柔流の「転掌」の模範演武を披露した。

◇沖国大 大将山城、意地の突き

スピードのある上段突きを繰り出す沖国大の山城伊織(右)=19日、豊見城市の沖縄空手会館(具志堅千恵子撮影)

 一般男子団体組手は後半に勢いに乗った沖国大が頂点をつかみ取った。1勝1分2敗で後がない中、大将の山城伊織が素早い突きを決め勝利、内容勝ちの薄氷の優勝だった。

 先鋒(せんぽう)の佐々木瞭友で落とし、次鋒の照屋雅高で引き分けた。劣勢に立ったが中堅の比嘉椎南が上段突きの有効や上段蹴りの一本により6-0で圧勝すると、続く副将の棚原武蔵が0-5の劣勢から意地を見せた。「少しでも点差を詰めよう」と足払いの直後に上段突きを決め、一本。2点差に詰める惜敗で、中堅の貯金を残して大将戦に託した。

 優勝に望みがつながったが、先制され焦りもあった山城。周囲の声援に背中を押され「負けられない」と奮起した。左手で間合いを取る相手に対し、体を動かし続け、突きを繰り出した。スピードを生かした突きを意識し、連続で上段突きの有効を奪って勝利を決めた。「中堅や副将の活躍が優勝につながった」(山城)。

 4年生で主将の棚原は大会2日前の17日に卒業式を終えたばかり。「後輩たちが頑張ってくれた」と感謝する。自身も終盤に追い上げる活躍を見せ、内容勝ちに貢献した。新チームで主将となる3年生の山城は「これから来る大会を全て優勝する」と拳を握った。(崎原有希)

◇女子組手 うるまスクール頂点 持ち前の粘り発揮

勝利につながる上段突きを繰り出す、うるま空手スクールの友杉樹姫(右)

 一般女子団体組手はうるま空手スクールが大将戦で勝負を決めて、1-0で栄冠を手にした。先鋒の濱崎利奈(19)は緊張から堅さがあり劣勢になるも「得意の蹴りで決めるしかない」と中段蹴りで技ありを奪い、引き分けに持ち込んだ。中堅の島袋綾華(21)も善戦し引き分け。大将の友杉樹姫(24)に「全てを託した」(島袋)。

 友杉は攻撃できる範囲が狭い小柄な相手を前に、先制を狙い果敢に攻めた。突きを繰り出す相手に対して中段蹴りで技ありを奪うと、上段突きで畳み掛けるように4連続で有効を奪い大将の役割を果たした。「高校以来の団体戦で楽しくて気持ち良かった」。それぞれが粘り強い試合を見せた3人に笑顔がはじけた。