沖縄・地価上昇 那覇周辺で需要拡大、観光客増で今後も伸び


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 21日に発表された公示地価は全国の全用途がプラス0・4%程度、地方圏がマイナス0・3%といった下落を示す中、県内変動率は住宅地と工業地で全国1位、商業地で全国5位となるなどトップクラスの上昇率を示していて、県内の土地取引の活況ぶりが反映された結果となった。

 住宅地と商業地ともに那覇市を中心に外縁的に地価上昇地域が増えている結果が出ている。那覇市の土地が高く、土地供給が少ないため、割安感がある周辺市町村の需要が拡大する傾向となったと言える。

 那覇市の商業地に関して上昇率は2016年の前年比プラス3・8%から本年の前年比プラス5・0%と拡大している。一方で、建築費の高騰を家賃に転嫁できておらず、投資利回りは下落傾向にある。

 国際通りは家電量販店やドラッグストアの新規出店は落ち着いたが、円安効果による観光客増加が続き、新規ホテルオープンや再開発なども見られることから、市街地の繁華性は依然として高く地価上昇の要因となっている。一方で築年数が古いビルなどの空室率は悪化していて、二極化の傾向を見せている。

 県内調査の代表幹事を務めた不動産鑑定士の高平光一氏は「那覇市を含めて土地取引が好調だ。観光客増加に伴う土地需要は底堅く、上昇傾向は今後も続くとみられる」と見通しを示している。観光客増加が県内地価好調の主な要因となっていることから、外国人を含む観光客数の推移に今後も注目が集まる。(当銘寿夫)