下校中、倒れたおばあさん助ける 児童4人連携 糸満


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大城サダ子さん(右から2人目)と大城さんを助けた児童4人=7日、高嶺小学校(同校提供)

 【糸満】糸満市立高嶺小学校(嶺井均校長)の児童4人が2月9日午後4時ごろ、糸満市大里で道路に倒れて動けなくなっていた女性のお年寄りを助けた。女性は無事帰ることができ、児童たちに感謝している。

 南城市奥武の大城サダ子さん(79)は、糸満市大里の知り合いに魚を届けに行き、知り合いの家の前で転んで立ち上がれなくなっていた。下校途中の児童が大城さんを見つけたが、起こすことできず通り掛かった車を呼び止めて助けを求めた。

 大城さんを運転手が後ろから抱きかかえて起こして車の中に座らせた。大城さんは車の中で落ち着きを取り戻し、ゆっくり、ゆっくり運転して帰っていった。

 車が立ち去る時に孫のような4人へ「ありがとう」とお礼した。「礼儀作法もよく、子どもたちは素晴らしい。とてもしっかりしていて涙が流れた」と感謝していた。

 大城さんは手術の後で当時歩けなかった上に雨と寒さでガタガタ震えていた。その間2時間近くかかり、心臓がドキドキしていたという。

 大城さんを助けたのは同小4年の玉那覇盛音君、伊敷佑君、上原祐太君、1年の伊敷侑君の4人。

 4人は「おばあちゃんが「助けて」と叫んでいたので持ち上げたが、駄目だったので車が通るたびに大きな声で「助けてください」と叫んだところ「4台目で止まってくれた」と話していた。

 大城さんは3月7日、娘と一緒に高嶺小学校を訪れ4人にお礼した。

 4人は「おばあちゃんを見てびっくりした。車が止まってくれるか心配だったが、止まってくれたのでよかった」と笑顔を見せた。

 担任の比嘉七海教諭は「思いやりのある優しい子どもたちで、力を合わせたから助けることができた」と、児童たちの行動をたたえた。
(玉保世英義通信員)