遺産登録調査に辺野古追加を要請 IUCNに環境7団体


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 日本自然保護協会など国内の七つの環境保護団体はこのほど、沖縄島北部や奄美大島の世界自然遺産登録について調査する国際自然保護連合(IUCN)に、米軍普天間飛行場の移設工事が進む名護市辺野古を視察するよう求める要望書を提出した。これに対し、IUCN世界遺産プログラムの担当者は要望書について「考慮する」と前向きな見解を示していたことが、24日までに分かった。

 要望書は「(政府による)推薦地域は、固有の生物種の分布を反映しているのではなく人間の都合が優先されている」と批判。「より広い地域が世界自然遺産の対象となる必要がある」とし、名護市東海岸や沖縄県北部の海から陸までを登録する必要があるとした。

 また辺野古の埋め立てに伴い奄美大島や徳之島から運ばれる砂に「外来種」が混入する可能性も指摘。調査団に外来種の専門家を加え、土砂採取先の鹿児島県も視察するよう求めた。

 回答文書でIUCNの担当者は、現時点でまだ視察評価計画を立てておらず、「環境省や世界保護地域委員会(WCPA)などと議論しながら、視察場所や面談する人を選定するなど準備を進める」としている。

 日本自然保護協会の安部真理子主任は「少なくとも今回の要請文書を、IUCNの事務局長は目を通しており、『考慮する』という発言は前向きな姿勢と捉えられる」と述べた。

 政府は今夏にもIUCNの現地調査を受け入れる。