糸満市西崎で25日、国指定天然記念物のコクガンが確認され、沖縄県立辺土名高の生徒と東竜一郎教諭が撮影に成功した。コクガンは主に北日本に冬鳥として飛来するが、飛来数も少ない。県鳥獣保護員によると、糸満では1度、1990年に飛来が記録されている。
辺土名高校サイエンス部野鳥班の生徒3人と東教諭がクロサギの調査をしていたところ、クロサギと一緒にいるコクガンを確認した。撮影した同校環境科2年の石川琉人さん(17)は「先生が興奮しているので珍しい鳥だと分かった」と話した。東教諭は「近づいても逃げなかったので衰弱しているのかと心配したが、元気に飛び立ったので安心した」と語った。
県鳥獣保護員の嵩原建二さん(61)によると、コクガンは主にツンドラ地域やシベリア北部に生息しており、国内では繁殖しない。嵩原さんは「沖縄にも飛来した例はあるが、珍しい」と語った。沖縄では、渡嘉敷島や南大東島での観察例がある。