翁長知事「今年中に決着」 北部基幹病院 早期整備 前向き


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11万人余の署名を翁長雄志知事(右端)に提出した北部地域基幹病院整備推進会議=27日午後、県庁

 「北部地域基幹病院整備推進会議」(会長・高良文雄本部町長)の稲嶺進副会長(名護市長)をはじめとする北部地域の代表47人が27日午後、沖縄県庁に翁長雄志知事を訪ね、県立北部病院と北部地区医師会病院の統合・再編を進め、基幹病院を早急に整備するよう求めた。これに対し、翁長知事は「今年いっぱいに決着をつけたい」と、年内に結論を出す考えを示した。

 さらに翁長知事は「この問題は、必ず北部の皆さん方の思いが遂げられるよう頑張っていきたい」と話し、2病院の統合に前向きな姿勢を示した。現在の進捗(しんちょく)状況について「課題を議論してきた。その中で問題点が集約されてきた」と説明した。

 県はすでに、北部地区医師会病院の職員の身分や負債の取り扱いなど、統合に当たって整理すべき課題として57点を抽出。今後、2病院や北部市町村会など関係団体のヒアリングを経て、統合に対する方針を決める。

 要請団は北部市町村の首長、議会議長、女性団体代表、医療関係者らで構成。24日の「北部12市町村住民総決起大会」で決議された「北部地域における基幹病院の整備を求める決議」と基幹病院整備を求める11万1039人分の署名を手渡した。

 決議は「北部地域の医療体制がひっ迫する中、住民に寄り添った医療確保のために、県立北部病院と北部地区医師会病院の統合・再編による基幹病院の整備」を求めている。基幹病院の機能として(1)500病床の機能集約(2)多様な病気への対応(3)安心して産み育てられる地域貢献病院―などを求める。稲嶺名護市長は「やんばるの地域医療を守り、拡大、発展させていかなくてはならないという思いがある」と訴えた。

 一行はこの後、県議会に新里米吉議長を訪ね、同様に要請した。