寝具類を企画・販売するファーストライン(那覇市)の大城勇社長(42)は29日、沖縄県社会福祉協議会を通じ、県内の児童養護施設を退園して新生活を始める19人全員に枕、敷布団、掛け布団の一式を贈呈した。
大城社長も小学校4年から中学校3年まで与那原町の児童養護施設・愛隣園で過ごした経験があり「園の子にとって退園者が活躍している姿を見るのはうれしい。僕を見て、『自分もできるはず』と思ってくれたらいい」と、先輩の心意気を見せた。
大城社長も15歳で退園して1人暮らしを始める際、寝具類を買いそろえるのが難しかったという。「役所や電気屋の手続きなども分からず苦労した。困りごとは多い」と、退園者の気持ちを推し量った。
寝具の贈呈は3年目で、計66人に達した。寝具とは別に、26歳から始めた愛隣園への寄付も続けている。「僕ももっと飛躍して、たくさんの子どもたちに愛を届けたい」と語った。
県社会福祉協議会の湧川昌秀会長は「応援されていると実感できる温かな記念品だ」と感謝の言葉を述べた。