仲里(北農)全国制覇 高校選抜レスリング


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 レスリングの風間杯第60回全国高校選抜大会の最終日は29日、新潟県の新潟市体育館で行い、120キロ級に出場した仲里優力(北部農林)が初優勝した。盤石に勝ち上がり、決勝も9―4で武藤(大分)を引き離した。仲里は「自分のレスリングができた。今年は国内の全タイトルで優勝する」と語った。

◆目標「五冠」へ一歩

 国内大会で優勝街道を突き進む仲里優力(北部農林)にとって、風間杯全国高校選抜大会の優勝も「一つの通過点」だった。28日の初戦をTフォール勝ちで発進、29日も3回戦から危なげなく試合を制した。頂点にも「良かったなって感じ」と冷静な言葉に貫禄が見える。

 国内敵なしの仲里が目指すのは優勝ではなく、県勢ではまだ成し遂げていない国内大会全制覇の「五冠」。一つ目のタイトルを奪い、目標に一歩近づいた。

 決勝の相手は何度も対戦してきた武藤(日本文理大付・大分)。序盤で得意の「腕取り」で2点を奪うも、相手のタックルを2度受け2―4と逆転される。それでも動じることなく「相手の攻撃はタックルだけ」といなすとバックを取って返し、その後も再びバックからローリングへとつなげて9―4と快勝した。決勝までの3試合も危機的状況に陥ることなく「いつも通りのレスリングをしていたら勝てていた」と、頭一つ抜け出た実力を見せた。

 残す大会はJOC杯と全国総体、昨年優勝した全国高校生グレコローマンと国体。昨年の全国総体では準優勝と涙をのんだだけに「他は通過点だけどフリースタイルの全国総体は違う。そこで優勝した時こそ感動を得られると思う」と、快哉(かいさい)を叫ぶ自身の姿を思い浮かべながら力強く語った。